セキュリティ

社内RAGの権限とログ|最初に決める運用の型

社内RAGで後から一番つらいのは、権限とログを「動いてから考える」ことです。誰がどの資料を見られるか、質問履歴を誰が・いつまで持つかを、導入初期に決める運用の型を図解しました。

セキュリティ

権限とログを先に

動かす前に運用を決める

投入チェックで資料を選んでも、使える人と検索範囲がズレたり、ログの閲覧者が決まっていないと事故と不信が残ります。画面より先に、権限とログの運用を1枚にします。

この記事でわかること

  • 権限とログを後回しにすると起きる問題がわかる
  • 導入初期に決める最小の運用項目が整理できる
  • セキュリティページ・委託調査につなげる確認ができる

執筆

藤原 寿暉斗

CTO

技術全般を統括。Webシステム開発からRAG・LLM統合まで、先端技術を実務に落とし込むアーキテクチャ設計を担う。

まず結論:権限とログは「機能」ではなく運用

社内RAGは、資料を入れるだけでは終わりません。チャットを使える人と、裏で検索される資料の範囲が一致しているか。質問文に機密が混ざったとき、誰がログを見られるか——ここが未定のままデモを進めると、導入直後に止まります。

投入前チェックの延長として、権限とログを運用ルールに落とす型をまとめます。主CTAはセキュリティの確認と整備の入口です。

後回し / 先に決める

後回し

全社員同じ検索範囲
ログの閲覧者が不明
保存期間が決まらない

先に決める

ユーザーと資料の対応表
ログ閲覧は限定役割
保存期間と見直し日

権限:使える人と資料範囲をそろえる

「ログインできる=全部の社内資料を検索できる」は事故の型です。営業だけが見るべき資料が、全社の質問に混ざらないよう、ユーザーグループと資料セットを対応づけます。

権限の対応

使う人

  • 営業チーム
  • 現場管理者
  • 本社総務

見られる資料セット

  • 営業マニュアル
  • 現場手順・安全
  • 就業・庶務FAQ
  • グループと資料セットの対応表があるか
  • 退職・異動時にアクセスを消す担当がいるか
  • 管理者用の特権検索がある場合、監査できるか
  • 最初の試用は1グループに限定しているか

ログ:残す・見せる・消すを分ける

質問文そのものが機微情報になることがあります。ログは「残す目的」「見せる人」「消す/期限」を分けて書いてください。監査のための保管と、現場の安心は両立できます。

ログ運用の3層

残す目的

品質改善・不正利用の検知・インシデント調査など

見せる範囲

一般利用者は不可。情シス/運用担当のみなど

期限と分離

保存期間、本番と検証の分離、取り出し手順

見直しのリズム

一度決めて終わりにせず、試用期間中は短く見直します。権限のズレ、禁止すべき貼り付け、ログのノイズは、週次の短い確認で潰す方が安全です。

初期90日の回し方
  1. 01

    方針1枚

    権限対応表とログ方針を書く

  2. 02

    試用開始

    限定グループ・安全な資料から

  3. 03

    週次15分

    ズレ・誤回答・貼り付け事例を確認

  4. 04

    拡大判断

    条件を満たしたら次の資料セットへ

よくある質問

投入前チェックリストとの違いは?

チェックリストは投入前の確認項目一覧です。本記事は、そのうち権限とログを「誰が・いつ・どう見直すか」まで含めた運用の型に深掘りします。

ログはすべて残すべきですか?

無期限の全保存が最善とは限りません。保存期間、本番と検証の分離、一般利用者は生ログを見られないこと、監査時の取り出し方を決める方が実務的です。

部署をまたぐ資料はどうしますか?

最初から横断検索にしない方が安全です。部署ごとに資料セットとユーザーグループを合わせ、効果が確認できてから共有範囲を広げます。

委託先調査でも同じ項目ですか?

同じです。NDA後の資料セットでも、権限・ログ・再委託・インシデント連絡は聞かれやすいです。RAGを含む場合は本記事の項目をセットに含めてください。

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