まず全体像:RAGって何が起きるの?
RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、むずかしく言うと「社内の資料を探してから、その内容をもとに答える仕組み」です。
イメージとしては、人がマニュアルを開いて答える代わりに、システムが近い資料を探して答えてくれる、という流れです。
質問 → 社内資料を探す → 見つかった内容をもとに回答
なぜ「入れる前」の確認が大事?
便利な反面、入れ方を間違えると「見せてはいけない資料まで答えてしまう」ことがあります。
だから最初に、何を入れてよいか・誰が聞けるかを決めておくのが大切です。
整理なし
整理あり
確認チェックリスト(5つ)
次の5つが揃ってから「資料を入れる・仕組みを作る」に進むと、あとからの手戻りが減ります。
- 入れる資料を「公開OK / 社内だけ / 機密」に分けた
- 答える相手と、見られる資料の範囲が一致している
- 回答に「どの資料を見たのか」を出せる
- 質問・回答のログを、いつまで・誰が見るか決めた
- 社外のサービスに送ってよいデータのルールを決めた
1. 資料は「全部入れない」
最初は「公開してよいマニュアル」や「よくある質問」だけに絞るのがおすすめです。
個人情報や契約条件が入った資料は、後回しにするか、必要な部分だけ抜粋して入れます。
機密
契約・個人情報・社外秘 → 最初は入れない
社内限定
部署マニュアルなど → 権限が固まってから
公開・FAQ
誰が見てもよい資料 → まずここから
上から順に、最初の導入では下の層から始める
2. 「聞ける人」と「見られる資料」をそろえる
チャットを使える人と、裏で検索される資料の範囲がズレると事故になります。
たとえば営業だけが見るべき資料が、全社員の質問に混ざってしまう、といったケースです。
使う人
- 営業チーム
- サポート担当
- 管理者
見られる資料
- 営業用マニュアル
- サポートFAQ
- 全社ルール
左の人が見られる資料だけを、右の検索対象にする
3. 回答には「出典」をつける
答えだけだと、「本当に正しいの?」がわかりません。
どの資料のどの部分を見たかがわかると、現場も安心でき、あとから説明もしやすくなります。
4. ログ(履歴)のルールを決める
質問文の中に、社外に出したくない内容が含まれることがあります。
「いつまで残すか」「誰が見られるか」を、作る前に決めておきましょう。
- 無期限に残さない(保存期間を決める)
- 本番とテストで、ログの扱いを分ける
- 一般の利用者は生ログを見られないようにする
5. 社外サービスに送るデータの境界
クラウド上のLLM(大規模言語モデル)を使う場合、質問や資料の一部が社外に送られることがあります。
「送ってよいもの / 送ってはいけないもの」を図にして共有しておくと、チーム全員が同じ判断ができます。
社内
社外API(使う場合)
進め方のまとめ
チェックが終わったら、次の順番がおすすめです。
- 01
小さく試す
FAQなど安全な資料だけで効果を確認
- 02
権限を固める
誰が・どの資料を見られるかを設計
- 03
本番へ
運用ルール(ログ・更新)を決めて拡大
