保守は「何でも対応」ではなく、入る/入らないの境界
業務システムの納品後、現場から来る依頼は混ざりやすいです。「画面が仕様と違う」「項目を増やしたい」「クラウドの設定を変えたい」は、見た目は近い依頼でも、契約上の扱いが違います。境界が書面にないと、対応速度と費用の期待がすれ違います。
本記事は、納品後保守の範囲の切り分けに絞ります。障害時の連絡・復旧の最小セットは関連コラムを参照してください。主CTAは開発の進め方です。
曖昧なまま
切り分けがある
不具合修正・機能追加・環境/設定変更の3つに分ける
依頼を受けるとき、まず次の3分類に置くと会話が早いです。分類は社内のチケット項目でも、発注側の依頼テンプレでも構いません。
環境・設定・外部要因
クラウド設定、外部API変更、証明書更新など
機能追加・改善要望
新しい項目、画面、帳票、連携(別見積が多い)
仕様どおりの不具合
合意仕様との不一致、再現手順がある不具合
- 「合意した仕様」の参照先(仕様書・受入条件)が分かるか
- 機能追加の依頼経路と、見積の要否が書かれているか
- 外部サービス変更時の調査・改修の扱いが触れているか
- 受付時間・窓口・優先度の置き場があるか(詳細はSLA記事)
入りやすい例と、別見積になりやすい例を並べる
契約書の文言は案件ごとに異なりますが、発注前の質問としては「次の例は保守内か」を具体で聞くと比較しやすいです。抽象的な「運用支援」だけでは境界が残りません。
保守に入りやすい
- 仕様不一致の修正
- 合意した軽微な設定支援
- 障害の初動・切り分け
別見積になりやすい
- 新機能・項目追加
- 大規模な画面改修
- 他社システム新規連携
契約前に、保守の1枚要約を添付する
開発の見積と別に、保守の1枚(対象システム、窓口、入るもの/入らないもの、別見積の例、更新のタイミング)があると、稟議と現場の期待が揃います。段階導入の第1段階が小さいほど、保守の境界も書きやすいです。
- 01
対象を書く
どのシステム・環境か
- 02
3分類を置く
不具合/追加/環境
- 03
例を並べる
入る・入らないを具体で
- 04
窓口を決める
連絡と優先の置き場
「入らないもの」が言える状態で進め方を確認する
保守の境界が口頭で言えるなら、開発プロセスのページで工程・検収・保守の位置づけを確認し、必要なら範囲の文書化から相談してください。障害時の連絡だけ先に決めたい場合はSLAの記事も併用できます。
業務の課題整理から、設計・開発・導入まで
納品後の保守範囲の切り分けから、
SHINJIDAIにご相談ください。
- 不具合と機能追加の境界が曖昧
- 環境や外部サービスの変更の扱いが決まっていない
- 契約前に入る/入らないを文書化したい
初回は、困っている業務と現在の状況の概要で構いません。調査・設計・開発の範囲と費用は、着手前に合意します。
ID・パスワードや顧客データは、フォームに記載しないでください。
開発・保守の進め方を見るよくある質問
障害時のSLA記事との違いは?
SLA記事は、止まったときの連絡・初動・復旧の約束に焦点があります。本記事は、稼働後の依頼が「保守内か別見積か」を切る範囲の話です。両方揃えると運用の期待値が合いやすいです。
仕様どおり動かない不具合は保守に入りますか?
合意した仕様との不一致は、契約で保守または保証期間の対象になることが多いです。一方、新しい要望や「あったら便利」は機能追加として別見積になるのが一般的です。契約文言の確認が必要です。
クラウドや外部サービスの値上げ・仕様変更は?
提供元の変更はベンダー単体で止められないことが多いです。影響調査・設定変更・改修の扱いを、保守に含むか都度見積かを事前に決めておくと安心です。
保守なしで納品だけでもよいですか?
可能ですが、障害時の窓口と小改修の依頼先が空になります。最低限、連絡経路と「範囲外は見積」だけでも決めておくと、本番後の混乱が減ります。
