技術解説

開発委託の契約前に決めるSLAの最小セット

SLA(サービス品質の約束)は、障害時や保守の話で初めて出てくると認識がズレます。契約前に決めておくとよい最小項目を、発注側の視点で図解しました。

技術解説

契約前のSLA

最小セットを先に決める

この記事でわかること

  • SLAを契約前に話す理由がわかる
  • 最低限決めるべき5項目(応答・復旧・連絡・範囲・除外)が整理できる
  • 発注側が準備できる質問リストがわかる

執筆

藤原 寿暉斗

CTO

技術全般を統括。Webシステム開発からRAG・LLM統合まで、先端技術を実務に落とし込むアーキテクチャ設計を担う。

なぜ契約前に話すのか

リリース後に「想定と違った」となりやすいのが、障害時の連絡と復旧の期待値です。

先に最小セットを揃えておくと、見積・保守費用の説明もしやすくなります。

契約後に揉める / 先に合意

後回し

連絡先が曖昧
復旧時間の期待ズレ
追加費用の争い

先に合意

連絡経路が決まっている
優先度と目安時間
範囲外は別途見積

最小セットの5項目

最初から完璧なSLA表は不要です。次の5つが書かれていれば、実務の出発点になります。

決める順番

除外・費用の扱い

範囲外と追加見積

応答・復旧の目安

優先度ごと

連絡先と受付時間

まずここ

上から詳細化してよい

  • 連絡手段(メール・電話・チケット)と受付時間
  • 障害の優先度の定義(例:業務停止/一部不具合/軽微)
  • 初動応答の目安(例:業務時間内○時間以内)
  • 復旧または回避策の目安(ベストエフォートか、時間目標か)
  • SLAの対象外(顧客側の操作ミス・第三者障害など)

発注側が用意するとよいこと

開発会社に丸投げするのではなく、自社の業務影響を伝えられると、現実的なSLAに落ちます。

「何時までに直らないと困るか」「誰が最終判断するか」を社内で共有しておきましょう。

契約前のすり合わせ
業務影響を整理止まったら困る時間帯
最小SLAを提案双方で文言を確認
契約に反映別紙・保守条項

よくある質問

SLAは大企業向けの話ではないですか?

規模に関係なく、「障害が起きたとき誰が何時間以内に動くか」は業務に直結します。小さくても、連絡手段と初動の目安だけ決めておくと、トラブル時の不安が減ります。

24時間365日は必須ですか?

必須ではありません。業務時間内対応・翌営業日対応など、自社の許容とコストのバランスで決めます。重要なのは、契約書か別紙で「合意した内容」が書かれていることです。

開発フェーズと運用フェーズで分けるべきですか?

はい。開発中の不具合対応と、本番稼働後の障害対応では、連絡先・優先度・費用の扱いが違います。フェーズごとに最小セットを書いておくとよいです。

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