受注画面が止まったとき、現場は何を待つのか
たとえば、受注担当者が朝の注文を登録している途中で、画面が使えなくなったとします。保守会社から「確認します」と返事が来ても、電話で受けた注文をどこに残すか、出荷を続けてよいかは、まだ決まっていません。これは説明のための架空例です。
保守契約では、技術担当が何をするかと、社内で誰が業務を判断するかを一緒に整理します。SLAは、サービスの品質や対応条件を双方で合意する取り決めです。「すぐ対応」だけで終わらせず、返答・復旧・再開を別の段階として扱います。
システムの復旧後も、仮受付と登録済みの注文を照合してから業務を戻す。
「いつまでに、どこまで戻すか」を分けて話す
IPAのITサービス継続の説明では、復旧する業務範囲や処理能力、そこまで戻す時間、どの時点のデータまで戻すかを分けています。下の図は、この区別を受注業務の問いへ置き換えた独自の説明です。公式図の転載ではありません。
たとえば、注文の参照を先に戻し、登録や会計連携は確認後に再開する方法もあります。ただし、一部だけ戻して仕事が進むかは、現場と技術担当が確かめます。目標時間を決める前に、バックアップから戻せる範囲と試験結果を確認してください。
どこまで戻す?(RLO)
参照・登録・会計連携のどの機能を、どの処理量で使える状態にするか。
そこまで何時間?(RTO)
合意した業務範囲へ戻す目標時間。受付の返答時間とは別。
いつのデータまで?(RPO)
戻せる記録の時点。その後に受けた注文を、誰がどう補うか。
IPA「ITサービス継続」のRLO・RTO・RPOの区別を参考にSHINJIDAI独自作成。業務例・表現・構成は当社作成。
契約前に、連絡・時間・担当・再開・対象外をそろえる
社内と委託先で、同じ停止場面を一つ置いて話すと、言葉の違いを見つけやすくなります。以下は、契約条件を相談するためのSHINJIDAIの整理案です。標準の対応時間や保証内容を示すものではありません。
- 01
連絡先と受付時間
窓口・代理担当・休日の扱い。窓口につながらないときの次の連絡先。
- 02
優先度と時間の数え方
全面停止・一部停止・軽微な不具合を区別。返答・調査・復旧の開始点と目標。
- 03
社内と委託先の役割
技術調査と復旧作業、仮受付・顧客案内・出荷可否の判断を分ける。
- 04
復旧と再開の確認
正常系だけでなく、途中処理・外部連携・仮受付の重複と漏れを試す。
- 05
対象外と追加対応
外部サービス・回線等の切り分け担当、追加改修の合意と費用、条件の見直し。
停止中に残した注文を、二重に登録しないために
架空の受注部門では、停止中の注文を、社内で決めた仮受付一覧に残す案を考えます。受注担当者が仮番号と受付時刻を付け、業務責任者が出荷できる条件を判断します。承認のない別ツールへ顧客情報を移す前提にはしません。
復旧後は「一覧の注文を全部入れ直す」と決めつけず、停止前に登録が完了したかを確認します。外部へ送信済みの注文を再送すると、二重の出荷や請求につながる可能性があります。仮受付・システムの登録・連携先の処理結果を同じ注文で照合し、未確認は担当と確認期限を付けて残します。
保守・技術担当
- 画面・処理・外部連携が動くか
- 途中処理や再送の結果を確認
- 戻せたデータと未確認範囲を報告
社内の業務担当・責任者
- 仮受付と登録・出荷の重複を照合
- 未処理と保留の注文を引き取る
- どの業務から再開するか判断
連絡の整理で足りるか、仕組みの変更まで必要か
停止時の混乱が連絡先の不足なら、窓口と代理担当を決めるところから始められます。現在の製品で通知・権限・記録を設定できるなら、その機能を先に確認します。
別のソフトへの転記や処理結果の確認が追えない場合は、連携や改修を比較します。先に一つの業務で、停止・回復・未処理の確認を試しましょう。大きな刷新から始める必要があるかは、現状と制約を調べて判断します。
運用を整理
連絡・仮受付・代理担当を決める。担当者が記録を維持できるか試す。
既存の設定を使う
通知・権限・履歴・バックアップの設定を確認。復旧試験で使える範囲を確かめる。
既存ソフトをつなぐ
受付と処理結果を対応付ける。停止中の保留・再送・重複を確認する。
必要な箇所を改修する
不足する履歴や再開確認を設計・実装。変更範囲と保守の責任を合意する。
保守の引き継ぎ中も、一次対応の担当を空けない
引き継ぎでは、既存の構成・権利・資料・管理権限と、現行契約の条件を確認します。新しい担当が調査している期間、元の担当がいつまで何に対応するかも決めます。資料があるだけで、復旧できる状態とは限りません。
構成不明・外部サービス障害・元担当不在の場面も試し、誰へ確認を戻すかを残します。切り替え日だけで責任を移すのではなく、連絡、復旧手順、再開確認の引き渡し条件を合意する方法を検討します。
費用は、現状調査・引き継ぎ整備・設定や改修・継続保守を分けて確認します。受付時間、環境と連携の数、資料の不足、復旧試験、ログ保管、元担当の協力範囲によって作業量が変わります。対応可否と条件は個別に確認します。
最初は、止まると困る仕事を一つ話してください
SHINJIDAIでは、業務の課題整理・提案から設計・開発・導入まで伴走します。このテーマでは、止まる作業、今の構成、連絡と判断の担当、復旧後に確認する記録を整理し、最初の調査対象を決めます。
そのうえで運用・設定・連携・改修を比較し、合意した範囲の仕組みを整えます。完成の確認は、通常操作に加えて、停止中の受付、担当不在、途中処理、復旧後の照合を社内の業務担当者と試す形で具体化します。
構成や契約が分からない段階で、すべての保守や復旧時間を約束するものではありません。資料の共有方法、対応可否、双方の役割、調査・実装の費用と、導入後の変更・保守条件を着手前に合意します。
- 止まると、どの作業・相手先への対応が困るか
- 使っているソフトと、委託先・社内担当が分かるか
- 仮受付と復旧後の照合を、誰が確認できるか
業務の課題整理から、設計・開発・導入まで
停止から仕事の再開までを、社内と委託先でそろえるなら、
SHINJIDAIにご相談ください。
- 返答・復旧・再開の担当が分かれていない
- 仮受付や途中処理の重複・漏れが心配
- 引き継ぎと改修の範囲・費用を分けて決めたい
初回は、困っている業務と現在の状況の概要で構いません。調査・設計・開発の範囲と費用は、着手前に合意します。
最初は業務の概要で構いません。認証情報や本番データはフォームへ入力せず、必要な資料と共有方法、調査・実装の範囲と費用を着手前に合意します。
ID・パスワードや顧客データは、フォームに記載しないでください。
課題整理・導入・保守の進め方を見る出典
一次資料の復旧目標の区別を参考に、契約前の確認事項と受注業務の架空例をSHINJIDAIが整理しました。公式図・表の転載は行っていません。2012年のガイドを現在の事故件数や製品仕様の根拠には使っていません。確認日:2026年10月11日。
よくある質問
初動の返答が早ければ、復旧も早いということですか?
別の時点です。受付の返答、調査開始、回避策、目標とする復旧を分けます。いつから時間を数えるか、業務時間外や外部サービス停止をどう扱うかも合意します。原因が分からない段階で、復旧時刻を保証したとは受け取りません。
24時間365日の対応が必要ですか?
自社の業務時間と停止の影響で決めます。翌営業日の対応で足りる業務と、夜間も止められない業務を分け、対応体制と費用を確認します。本記事はSHINJIDAIの24時間対応を約束するものではありません。
今のシステムを残して保守会社を変えられますか?
資料・権利・管理権限・構成と、現行契約を確認して判断します。調査中から新しい会社が全責任を引き受けるとは限りません。誰がいつまで一次対応し、どの条件で引き渡すかを決めます。構成が不明なら、先に調査範囲と費用を合意します。
相談前に契約書や本番データを全部送る必要がありますか?
最初は、止まると困る作業、今の仕組み、担当と資料の有無を、分かる範囲で共有してください。パスワード・顧客情報・本番データをフォームへ入力する必要はありません。必要な資料と共有方法、調査・実装の範囲と費用は着手前に決めます。