セキュリティを更新するとき、残す業務の接続も確かめる
KDDIは2026年9月29日、「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」の提供を開始したと発表しました。既存のWVS/WVS2とPrisma SASEを閉域で接続するサービスです。同時に示された「KDDI AccelWaves Network」は2028年度の提供予定で、今回の提供開始とは区別する必要があります。
SASE(サシー)は、ネットワークとセキュリティの機能を組み合わせる考え方です。導入を検討する会社では、接続の仕組みが変わっても、受注・出荷・会計といった既存の仕事をどう続けるかが判断材料になります。製品の機能や接続できる条件は、それぞれの構成・契約で確認します。
切替前には「画面が開く」に加え、いつもの担当者が仕事を完了できること、許可しない操作が拒否されること、失敗した場合に戻せる範囲をそろえます。本記事の図と業務例はSHINJIDAIの独自の設計案です。紹介製品の画面や標準手順、当社の導入実績を再現したものではありません。
受注画面は開く。それでも、倉庫と夜間処理は別の確認が必要
架空の資材販売会社が、営業拠点の接続を切り替える例で考えます。試験番号NW-061では受注画面へのログインと注文登録を確認できました。一方、別拠点の倉庫へ出荷指示が届くか、倉庫端末で送り状を印刷できるか、夜間に会計へ実績が渡るかは、まだ試していません。
この状態は「受注画面の確認済み」であり、「受発注業務の確認済み」ではありません。普段の業務の順に、使う端末・担当・接続先・動く時間帯を並べます。取引先が接続元を制限している連携や、担当者が操作しない定時処理も、接続を管理する会社と一緒に対象へ入れます。
試験は承認した環境とデータで行い、実注文の送信や顧客への通知を誤って発生させない条件を決めます。試験環境と本番に差がある箇所は、同じように動くと推定せず、本番切替前後の確認として残します。
どの接続が新しい経路を通るかも確認する。新経路の影響外なら、その根拠を記録する。
「つながる」と「使ってよい」を分けて、完成条件にする
受注担当には注文登録が必要でも、別部署に同じ権限が必要とは限りません。接続を許可する条件と、拒否すべき条件を、社内の情報管理方針に合わせて確認します。つながらない問題を解消するために、全員・全接続を許可する変更で済ませないことが大切です。
NW-061なら、受注担当の登録、倉庫担当の出力、夜間処理の結果照合を別の試験にします。各試験へ、確認した構成、実施日、期待する結果、実際の結果、確認者を残します。夜間処理を試していなければ未確認、失敗したなら要対応とし、空欄を合格へ読み替えません。
時間がかかって締切に間に合わない場合も、接続成功だけでは業務上の合格にできません。許容する処理時間や対象量は自社の締切から決めます。製品の性能説明を、そのまま自社の完成条件にしないようにします。
必要な仕事ができる
- 担当者が入力・訂正できる
- 指示・出力・連携の結果を追える
- 業務の締切に間に合う
許可範囲を守れる
- 権限のない担当の操作は拒否する
- 許可した端末・接続条件を守る
- 例外の許可は承認者・期限を残す
未確認・失敗は別に残す。例外の要否は管理責任者が判断し、導入の都合だけで許可範囲を広げない。
接続できない原因を、すべて業務システムの改修にしない
まずはネットワーク・認証・業務アプリのどこを確認する必要があるか、各担当と分けます。現行の接続先や権限を整理すれば足りる場合、製品の設定変更で対応できる場合、古い接続方法や結果確認の仕組みに制約がある場合では、発注範囲が異なります。
たとえば、NW-061の倉庫への指示が未確認なら、先に対象の経路と試験方法を確認します。連携処理に失敗記録がなく、送れたかどうか毎回人に聞いていることが分かれば、その記録や再確認の仕組みが業務アプリ側の改修候補になります。原因を確認する前に全面刷新を決める必要はありません。
既存製品に接続状況の可視化や運用支援がある場合もあります。今の契約で使える機能、設定変更の担当、アプリの変更可否を確認し、同じ業務例で比較します。
運用・台帳を整える
接続先と担当が不明。まず業務の流れと確認先をそろえる
既存設定を見直す
利用製品で対応できる条件か、設定を管理する会社へ確認する
連携を調整する
必要な接続条件に合わせ、アプリ間の受渡し・結果確認を見直す
必要部分を改修する
既存機能で扱えない失敗記録・再処理・権限確認などを設計する
元の接続へ戻すときも、未送信と二重処理を確認する
切替計画には、開始条件と中止条件、元へ戻す判断者、戻せる範囲、連絡先を入れます。現在と新しい接続を並行利用できるかは構成によるため、必ず可能とは考えません。一拠点での試験が全拠点の結果を代表するかも、端末や相手先、時間帯の違いから確認します。
切替後、倉庫への指示が届いたか不明になったとします。元の接続へ戻して再送する前に、送信側と受信側の記録を照合します。受信済みなら同じ指示をもう一度作らず、未送信なら合意した手順で再開します。結果が確認できなければ自動再送せず、担当者の確認へ戻します。
接続を戻した後も、切替中に登録した注文や出力済みの伝票は残ることがあります。「元へ戻った」と「途中の仕事が整理できた」を分けて確認します。旧経路の停止・契約終了は、必要な検証と業務記録の照合が終わり、管理責任者が判断してから進めます。
- 止めてよい時間帯・締切と、切替を中止する条件が決まっているか
- 旧経路へ戻せる範囲と、戻す操作・判断の担当を確認したか
- 連携先の受信済み・未送信・結果不明を照合してから再開できるか
- 夜間や担当不在でも、契約範囲に合う連絡先と判断の引継ぎがあるか
業務・ネットワーク・アプリの担当が、同じ確認結果を見る
業務側は、必要な操作、出荷などの締切、結果が正しいかを判断します。ネットワークを管理する会社は、合意した経路・接続制御・設定を担当します。業務アプリを保守する会社は、接続方法、連携処理、記録や再処理の確認・改修を担当します。実際の分担は契約で異なるため、試験の前にそろえます。
一つの確認事項に、試験番号、止まっている処理、確認済みの範囲、次に調べる担当、期限、判断者をまとめます。NW-061の「夜間会計連携は未確認」が見えれば、ネットワーク試験が完了していても、業務側の承認をまだ出せない理由を共有できます。
Ciscoの公開資料でも、必要機能と移行の検証、パイロット、切戻しの選択肢、サポート体制と問い合わせフローの明文化が整理されています。これを背景に、自社で誰が結果を確認し、最終的な切替を承認するかまで具体化します。以下は製品指定の手順ではなく、役割を整理する設計例です。
業務側
倉庫の出力と夜間連携の結果・締切を確認する
ネットワーク側
新旧の経路、許可条件、戻せる範囲を確認する
アプリ側
連携先・実行記録・受信結果を照合し、必要な修正を行う
社内の切替判断者
未確認と影響を見て、切替・延期・追加検証を決める
最初の一業務から、接続の確認と必要な改修を相談する
最初は一拠点の受注から出荷までなど、担当者が結果を確認できる範囲を選びます。現行業務を続ける方法と試験の時間帯を決め、切替前後の正常処理、権限のない操作、連携失敗、結果不明、切戻しを含めて確かめます。夜間や締め処理を含めた検証が終わる前に、全業務を確認済みにしません。
株式会社SHINJIDAIは、業務課題の相談・解決策の提案から設計・開発・導入まで伴走しています。このテーマでは、残したい業務システムと確認が止まる処理を整理し、関係する保守担当と確認範囲をそろえます。運用・既存設定で対応できる部分と、業務アプリの接続確認・連携改修が必要な部分を比較。合意した範囲を実装し、担当者と業務の結果まで確かめます。
SASE製品の契約・設定・ネットワーク運用は、それらを担当する会社との分担を確認します。SHINJIDAIへの相談だけで製品販売、ネットワーク全体の設定・監視、無停止の切替を約束するものではありません。
費用を左右するのは、拠点・端末・接続先の数、アプリの変更可否、定時処理や例外の種類、試験環境、本番確認に必要な時間帯です。回線・製品の継続費とアプリの保守を分け、導入後の設定変更、権限更新、連携先の変更と再検証を誰が担うかを合意します。
- 01
残す業務と接続を確認
端末・相手先・時間帯・担当と、未確認の範囲を整理
- 02
対応する範囲を比較
運用・既存設定・アプリ連携・改修と各社の役割をそろえる
- 03
合意した範囲を実装
業務アプリの連携・結果記録など、必要部分に対応
- 04
担当者と結果を確認
正常・失敗・切戻し後も、残る仕事と次の担当を追えるか試す
業務の課題整理から、設計・開発・導入まで
接続を変えても、今の仕事を続けられるようにするなら、
SHINJIDAIにご相談ください。
- 受注画面以外の印刷・連携への影響が分からない
- 接続を戻した後、未送信や二重処理が残らないか確かめたい
- 既存システムを残し、必要な連携改修と担当範囲を決めたい
初回は、困っている業務と現在の状況の概要で構いません。調査・設計・開発の範囲と費用は、着手前に合意します。
SASE製品の契約・ネットワーク設定・監視は担当会社との分担を確認します。業務アプリの調査・連携改修・保守の範囲は個別に合意し、無停止の切替を保証しません。
ID・パスワードや顧客データは、フォームに記載しないでください。
課題整理から導入までの進め方を見る出典
確認日:2026年10月2日。KDDIの発表日とSASEゲートウェイの提供開始日は2026年9月29日。KDDI AccelWaves Networkは2028年度提供予定として区別しています。製品の対応範囲は利用する構成・契約で確認してください。
Cisco資料は2025年5月21日公表の背景資料です。13枚目「事例に見る成功のポイント」を参照し、試行・移行検証・切戻し・役割の確認を説明しています。個々の製品の互換性や、ここで示す業務設計を保証する資料ではありません。
資材販売会社、NW-061の状態、図と役割・完成条件は説明用の架空例とSHINJIDAIの設計案です。顧客の実画面、導入実績、製品の性能や改善効果を示すものではありません。
よくある質問
SASEへ接続できれば、業務システムの確認は終わりですか?
終わりとは判断できません。画面の表示、登録、倉庫への指示、印刷、相手先への連携などを分けて確認します。夜間や締め日にだけ動く処理も対象です。許可された担当者が仕事を終えられることと、許可していない操作が拒否されることを、合意した試験環境で確かめます。
既存の業務システムを全部作り直す必要がありますか?
最初から全面改修を前提にしません。現在の設定で対応できる接続条件と、連携先や処理結果を確認する仕組みの不足を分けます。業務側の改修が必要なのはどこか、利用製品の仕様・契約・変更可否を、各担当と確認して決めます。
業務を止めずに切り替えられますか?
現在の構成、並行利用の可否、止められる時間帯によります。無停止を前提にせず、限定した範囲で試し、切替を中止する条件と元へ戻す方法を合意します。戻した後も、未送信や二重登録が残っていないかを業務記録で確認します。
ネットワーク会社とシステム会社には、何を分けて依頼しますか?
経路やアクセス制御の設定、業務アプリの接続・連携・記録、実際の業務結果の確認を分けます。誰がどこまで調べ、変更し、試験結果を残すかを契約と現行の保守範囲に照らして決め、最終的な切替判断者を社内で明確にします。
相談時にネットワーク設定やパスワードを送る必要がありますか?
最初から送る必要はありません。残したい業務システム、利用拠点、止められない処理、現在の保守窓口から伺います。詳細情報が必要な段階で、共有目的・項目・閲覧者・共有方法を決めます。製品契約、ネットワーク設定、業務アプリの調査・改修・運用支援の担当範囲は個別に確認します。
