画像の流出報道を、自社の保管を見直すきっかけにする
パーク24は2026年9月29日の第3報で、タイムズカーの不正アクセスにより、運転免許証画像などの本人確認書類が漏えいしたアカウント数を約160万件と公表しました。9月30日には日経電子版も、免許証画像の流出と対応を報じています。
ここで自社について確かめたいのは、本人確認のために受け取った画像を、今もどの業務で必要としているかです。以下は当該事故の原因分析ではなく、総務や車両管理で本人確認書類を扱う企業向けの業務設計の提案です。
結論は、画像の保管場所を1つに集めるだけで終えず、「残す理由・終了の条件・判断者・各保存先の確認結果」をつなぐことです。業務上の確認を続けるための記録と、画像そのものを持ち続ける必要性を分けて検討します。
「確認した記録」と「原画像」は、使う人と目的を分ける
たとえば社用車を運転する従業員の情報を、総務が確認する業務を考えます。業務担当者が知りたいのは、必要な確認が済んでいるか、次にいつ確認するか、担当は誰か、という状態かもしれません。全員が原画像をダウンロードできることが、その答えになるとは限りません。
以下のD-027は架空の管理番号です。項目や保存方法は説明用の例で、これだけで法令上の確認が足りるという意味ではありません。自社の業務に必要な確認内容は別途決めます。
業務に必要な確認記録
- 管理番号:D-027
- 確認状態:確認済み/再確認待ち
- 確認日・確認した担当・次の期限
- 必要な部署だけが参照する
原画像を残す場合の条件
- 何の目的で残すか
- 保存根拠と期間・見直す条件
- 閲覧・持出しできる担当
- 目的終了後に削除を判断する人
状態の記録にも個人に関する情報が含まれる。画像を分けても、権限や保存期間の管理は必要。
削除したい画像は、どこへコピーされたか
本社の保管場所から消しても、営業所の共有フォルダ、担当者の端末、メール添付に別のコピーが残っていれば、同じ状態にはなりません。まずは対象業務で実際に使う保存先を確認し、存在が分からない場所を「0件」として閉じないようにします。
新たな一覧に画像を添付し直すと、管理のためにコピーを増やすことになります。管理番号・保存先の種類・担当・確認結果を結び付け、画像の閲覧権限とは分ける設計を検討してください。画像の有無を調べるために全社員へ画像の再送を求める運用も避けます。
管理用の保管領域|削除を確認
指定した画像の削除結果と実行日時を確認。ほかの保存先まで完了したことにはしない。
共有フォルダ|確認待ち
営業所の担当がコピーの有無と履歴・ごみ箱の扱いを確認する。
担当者の端末|所在が未確認
退職者の端末などは管理担当へ引継ぎ、保管先と確認方法を調べる。
バックアップ|保持期限を確認中
すぐ消せるか、世代の満了を待つか、提供会社の仕様と契約を確認する。
すべて架空。1つの画像に関わる4種類の保存先を例示。実際の保存先数・画像件数ではありません。
保存年数を決める前に、終了と例外の判断者を決める
個人情報保護委員会の通則編3-4-1は、利用する必要がなくなった個人データについて、遅滞なく消去するよう努めることを説明しています。一方、法令で保存期間等が定められる場合は別です。「退職したら全部消す」「念のため永久に残す」という一律の判断はせず、目的と適用条件を確認します。
実務では、退職・契約終了・書類の差し替えを、削除可否を確認するきっかけにします。保存が必要なら、理由と次の見直し日を残します。事故調査や紛争等のために保全が必要な情報は、責任者に確認して通常の削除対象から分けます。
自動化する前に判断条件を合意する。残す理由が未確認なら、自動で削除しない。
まず増やさない。次に既存の設定で扱えるか確かめる
最初に変える候補は、目的のない再収集や再送、担当不明のコピーを増やす手順です。そのうえで、今ある保管サービスの権限・保存期間・履歴・ごみ箱の設定を調べます。新しいシステムの開発を前提にする必要はありません。
画像の削除だけを急いで、必要な確認記録や業務まで失わないようにします。不正アクセスが疑われる最中は通常の整理と分け、社内の事故対応窓口・保守会社等と証拠保全や対応手順を確認してください。この記事の提案は個別事故の調査・対応を代替するものではありません。
運用の見直し
保存先が少なく担当が明確なら、収集目的・終了時の連絡・結果確認を決める。担当交代時にも回るか試す。
既存サービスの設定
権限や保持ルールで対応できるなら設定を比較。契約プラン、履歴、ごみ箱、保持例外への影響を確認する。
既存システムの連携
退職や契約終了の通知が届かないなら、対象番号と終了状態をつなぐ。誤通知や取消時に戻せる設計を決める。
不足する業務の改修・開発
複数保存先の担当・期限・例外・結果を追えない場合に検討。画像の集中保管を増やすのではなく確認の仕組みから設計する。
「削除済み」を表示する前に、失敗と復元も試す
最初は1つの業務・拠点・書類種別を対象にし、架空の画像と管理番号で試します。実際の個人データを使う調査が必要になった場合は、共有する目的・範囲・閲覧者・取扱方法を先に決めます。
バックアップをすぐ変更・削除できるとは限りません。復旧のための保管と、不要データを業務へ戻さないことを両立できるか、提供会社と確認します。保持中はアクセスを制限し、満了や例外の扱いを記録する案を比較してください。
- 通常:終了通知から削除可否の判断、各保存先の結果まで、同じ対象番号で追えるか。
- 例外:保存が必要な対象や、判断待ちの対象が自動削除されないか。担当交代でも理由が分かるか。
- 失敗:外部サービスが応答しないとき、完了と表示せず担当へ戻せるか。再実行で別の記録を消さないか。
- 復元:過去のバックアップを戻したとき、削除対象の記録が業務側へ再表示されないよう確認・再反映する手順があるか。
- 証跡:対象範囲・実行者・日時・結果を確認できるか。削除の記録自体に原画像や不要な個人情報を残していないか。
何を任せるかは、保存の判断と実行を分けて相談する
総務・業務責任者は、何を確かめるために書類を受け取り、いつ不要になるかを整理します。人事などの終了を把握する担当は通知の時点と取消手順を決め、情報システム担当は保存先・権限・処理結果・バックアップの制約を確認します。保存義務や保全の判断が必要なら、契約・法務等の担当にも確認します。
費用を左右するのは、保存先の数だけではありません。対象番号で照合できるか、未把握の端末があるか、サービスが必要な処理に対応するか、例外と移行がどれほどあるかで調査・実装・確認の範囲が変わります。最初から全社一括にせず、1業務で不足と完成条件を確かめます。
株式会社SHINJIDAIは、現場で書類を受け取ってから用途が終わるまでの流れを確認し、運用・既存設定・連携・改修の選択肢を提案します。合意した範囲で、対象番号・担当・期限・確認結果をつなぐ仕組みを設計・実装し、通常と例外で使えるかを担当者と確かめます。これは支援案であり、同種の事故対応実績を示すものではありません。
移行中は従来の確認記録を参照できる状態を保ち、担当者が新しい状態の意味を確認してから切り替えます。稼働後の保持ルール変更、外部サービスの仕様変更、失敗の確認、保守の受付・対応範囲も事前に合意します。個別の法的判断やデータの完全消去を一律に保証するものではありません。
初回は「どの書類を、どこへ、何のために保管しているか」「終了時に何が分からなくなるか」を言葉でお知らせください。画像・顧客名・個人番号・認証情報は不要です。次に決めたいのは、先に調べる1業務と、社内・保守会社・SHINJIDAIの確認範囲です。
業務の課題整理から、設計・開発・導入まで
保存先と削除の確認が分かれているなら、
SHINJIDAIにご相談ください。
- 退職や契約終了のあと、画像の保存先を追えない
- 確認記録を残し、不要なコピーを減らしたい
- 既存の設定と連携・改修のどこから始めるか決めたい
初回は、困っている業務と現在の状況の概要で構いません。調査・設計・開発の範囲と費用は、着手前に合意します。
初回に実際の本人確認書類や認証情報を送る必要はありません。法的判断、個別事故の調査・対応、完全消去の保証は含めず、調査・実装・保守の範囲を個別に合意します。
ID・パスワードや顧客データは、フォームに記載しないでください。
役割・費用・受入の進め方を見る出典
確認日:2026年10月4日。報道の出来事と企業内の業務設計例を区別しています。事故の事実はパーク24の公表、個人データの管理の考え方は個人情報保護委員会の資料に基づきます。保存年数・削除可否は自社の利用目的と適用条件を確認してください。
よくある質問
免許証の画像は、一律に何年保存すればよいですか?
この記事では一律の年数を定めません。利用目的、適用される法令・契約、業務で参照する必要性を確認して決めます。免許の有効性を確認する記録と、画像そのものを残す理由は別です。自社の責任者や必要な専門家に確認し、判断根拠と見直す時期を記録してください。
従業員が退職したら、関連するデータをすべて削除してよいですか?
退職は確認を始めるきっかけで、全データの即時削除条件とは限りません。保存が必要な記録、対応中の案件、保全が必要な情報を分けて、責任者が削除できる範囲を判断します。残す場合も目的・閲覧者・見直す期限を決め、期限不明のまま放置しないようにします。
画面から削除すれば、バックアップや端末からも消えますか?
製品・設定・コピーの作られ方によって異なります。ごみ箱や履歴、端末、外部の保管先、バックアップの扱いをそれぞれ確認します。すぐに削除できない保存先は、残る理由・消える予定・閲覧制限・復元後の扱いを管理し、確認前に削除完了と表示しません。
相談のために、実際の免許証画像を送る必要がありますか?
初回は不要です。扱う書類の種類、保存先の種類、誰が何のために確認しているか、終了時に困ることを言葉でお知らせください。必要な調査範囲と共有方法を先に合意し、架空データで確認できる部分から整理します。
