「どの会社がよいか」の前に、同じ仕事を比べる
機能一覧と見積総額だけでは、選定理由を説明しきれません。比べる業務、任せる範囲、完成の確認方法がそろっているなら、提案の違いを判断できます。そろっていないなら、採点より先に条件を確認します。
たとえば、営業所の実績を本社経理がExcelへ集め、請求を確定した翌日に実績の訂正が届く業務を考えます。「自動集計に対応」と書かれた提案でも、確定済み請求への影響を誰が判断し、訂正前後をどう照合するかは違うかもしれません。以下は説明用の架空例です。
IPAの要件定義の資料でも、業務の背景・要求・制約を整理し、共通の基準で提案を評価する進め方が示されています。最初から詳細仕様をすべて固める必要はなく、不明な部分を調べる範囲も比較対象にできます。
架空の請求業務。各工程で「担当・記録・例外」を確認する。
7つの確認項目を、答えと根拠の組で並べる
比較表には、項目名だけでなく「必要な条件/各社の回答/根拠と確認日/未確認の担当・期限」を残します。営業資料の記載、打合せでの説明、試した結果は、確かめられた範囲が異なります。
必須条件は、点数の合計で相殺しないよう先に合意します。たとえば請求の二重反映を防げることが必須なら、画面の見栄えがよくても、その確認を省いて採用とはしません。望ましい条件の優先順位は、現場と決裁者で決めます。
- 01
初回の範囲
1営業所の実績訂正から請求への反映まで。全社展開や過去分の再計算を含むか。
- 02
完成の確認
通常・承認待ち・二重取込・連携失敗を試し、誰が何を照合するか。
- 03
権限と記録
現場は訂正依頼、責任者は承認、経理は請求確定。変更履歴と閲覧範囲を確認する。
- 04
移行と業務継続
既存Excelをいつまで正とするか。差分照合、切替、戻す判断の担当を決める。
- 05
双方の役割
業務ルールの決定者、実装窓口、受入担当、保守会社との調整役を確認する。
- 06
保守と引継ぎ
受付時間、対応範囲、連携変更、データ出力・手順・権限の引継ぎを確認する。
- 07
費用の前提と変更
データ整理、連携先調査、移行回数、教育、運用費を含むか。追加時の見積・承認方法を確認する。
同じ「対応できます」でも、確認状態を分ける
次の例では、各社へ「同じ訂正を再取込しても請求へ二重反映せず、保留分を経理が追えるか」と聞いています。会社名・回答・確認結果はすべて架空で、SHINJIDAIや実在企業の評価ではありません。
確認済みとは、示された条件内で確かめたという意味です。試作の成功を本番運用の保証にせず、未確認は不可や0点と同一視しません。重要な未確認に回答が得られなければ、選定を保留する理由も明確になります。
A社|条件付きの提案
番号が一致すれば二重反映を防ぐ設計案。根拠は提案書の処理図。番号が欠けた実績は未確認 → 自社経理が欠番例を整理し、A社と扱いを決める。
B社|試した範囲で確認済み
合意した架空データでは再取込しても1回だけ反映。根拠は実演の確認記録。本番の連携先での再送は未確認 → 情シスとB社が検証範囲を合意する。
C社|未確認
見積は集計機能までで、再取込と承認待ちの説明がない。根拠は現在の見積範囲 → 発注担当が対象内か別途調査かを質問し、回答期限を決める。
同じ質問に対する「回答・根拠・残る条件・次の担当」を1組にする。
既存の運用で足りる案も、同じ完成条件で評価する
個別開発の提案だけを集めると、今ある機能で直せる部分を見落とすことがあります。選択肢は同じ業務上の必要条件で比べ、対応方法ごとの制約を確かめます。
費用差を見るときは、利用人数・権限の違い、データの重複や欠番、外部連携の仕様、移行の回数、止められる時間、受入試験の範囲をそろえます。発注側のデータ整理や照合作業も見積金額とは別に残してください。
運用を整える
訂正依頼の入口と承認者をそろえれば回る場合。担当交代や繁忙時にも確認漏れが出ないか試す。
既存製品の設定を変える
承認・履歴・取込チェックで足りる場合。利用プランや設定権限、既存業務への影響を確かめる。
既存システムを連携する
二重入力が主な負担の場合。対象番号、再送、失敗時の戻し先を合意し、既存の請求機能を残す。
不足分を改修・開発する
必要な訂正・承認・差分照合が既存機能では成立しない場合。まず1営業所・1締め処理で検証する。
移行中の仕事と、完成の確認を提案段階で聞く
移行中に旧Excelと新システムの両方へ自由に訂正すると、どちらが正か分からなくなります。例では旧Excelを正とする期間を決め、現場は訂正の入口を1つにし、経理が同じ対象番号で新旧の差分を照合します。切替前の訂正をどこへ反映するか、戻す場合にどこまで戻すかも決めます。
発注側の責任者は業務ルールと切替可否を判断し、開発側は合意した変換・連携・履歴・失敗通知を実装します。情シスや既存保守会社が持つ権限・仕様の確認が必要なら、誰が依頼するかを明確にします。
- 通常:承認済みの訂正だけが反映され、訂正前後と担当・日時を経理が確認できる。
- 保留:承認待ち、対象番号の欠落、照合不一致が完了扱いにならず、次の担当へ戻る。
- 再送:同じ訂正の再取込や連携の再実行で二重反映されない。失敗時は反映範囲を追える。
- 移行:対象期間の件数・金額・例外を照合し、差が残れば理由と対応担当が分かる。切替・戻す条件を確認できる。
選定理由は「強み・残る条件・次の確認」で説明する
現場は訂正や保留を扱えるか、経理責任者は締め処理を確かめられるか、情シスは既存連携と運用を維持できるか、経営・調達は費用と役割を説明できるかを確認します。全員が技術の細部を採点する必要はありません。
選定会議では、必須条件の確認状況を先に示し、次に候補を選ぶ理由と残る条件を説明します。「未確認はあるが、いつ誰が確かめ、結果によって何を見直すか」が分かれば、調査だけ先に依頼するか、開発へ進むかを決めやすくなります。
SHINJIDAIとは、比較する業務と確認範囲から相談する
株式会社SHINJIDAIは、課題の相談・解決策の提案から設計・開発・導入まで伴走します。この例なら、実績が訂正されてから経理が結果を確認するまでを整理し、運用・設定・連携・改修の案を比較します。合意した範囲で対象番号・承認・差分・処理結果をつなぐ仕組みを設計し、現場と経理が通常・例外を扱えるか確認します。これは今回の業務への支援案です。
公開実績では、看板広告業向けに契約・入出金・請求をつなぐ管理システムを紹介しています。業務の記録を結び付ける点は共通しますが、この記事の請求訂正や各社比較を実施した実績を意味しません。自社の条件への対応可否は個別に確認します。
初回に共有いただきたいのは、困る場面、残したい既存ソフト、関係する担当、提案で判断できない条件です。顧客名や実データ、他社の秘密情報は不要です。相談では、最初に確かめる業務と、社内・既存保守会社・SHINJIDAIの役割、調査や実装の対象範囲を整理します。
業務の課題整理から、設計・開発・導入まで
社内で説明できる開発会社選びを、
SHINJIDAIにご相談ください。
- 提案が違いすぎて同じ条件で比較できない
- 価格以外の選定理由を説明できない
- 権限・移行・保守の確認項目をそろえたい
初回は、困っている業務と現在の状況の概要で構いません。調査・設計・開発の範囲と費用は、着手前に合意します。
ID・パスワードや顧客データは、フォームに記載しないでください。
開発体制・契約範囲を見る出典
確認日:2026年10月6日。IPAの資料は提案依頼と比較の前提、当社の公開ページは実績・進め方の確認に使用しました。比較の状態分類・請求訂正の場面・各社の回答は独自の設計提案・架空例です。料金・納期・効果を保証するものではありません。
よくある質問
何社から提案を受ければよいですか?
一律の社数より、同じ条件を伝え、回答と根拠を確認できるかを重視します。社内の調達ルールに従い、候補の違いを確認できる範囲で比較してください。要件が固まっていなければ、調査・要件整理の範囲を先に比べる方法もあります。
デモが動けば、対応済みと評価してよいですか?
試した範囲では確認済みと記録できます。ただし実際のデータ量、権限、連携先、移行方法でも成立するとは限りません。試した条件と未確認の条件を分け、次の調査や受入確認に引き継ぎます。無償での試作を全候補に求める前提ではありません。
価格が低い会社を選ぶと危険ですか?
価格だけで危険とは判断できません。既存機能を使う、初回の対象を絞るなど合理的な理由もあります。移行・教育・連携・保守・変更対応の範囲をそろえ、発注側に残る作業も含めて比較してください。
詳細な仕様書や他社の提案書がないと相談できませんか?
初回は、困る場面・残したい仕組み・関係する担当・決められていない条件を言葉で説明できれば整理を始められます。他社の秘密情報、顧客データ、認証情報を送る必要はありません。詳細な調査・資料共有が必要なら範囲と取扱方法を先に合意します。