技術解説

納期バッファの置き方(発注側視点)

システム開発の納期を立てるとき、発注側がバッファをどこに置くかで、手戻り時の余裕と現場の信頼が変わります。発注者視点の考え方を図で整理しました。

技術解説

納期バッファの置き方

発注側が決める余白

この記事でわかること

  • 納期にバッファが必要な理由と、置き場所の考え方がわかる
  • 要件変更・テスト・承認にそれぞれバッファを置く見方がわかる
  • ベンダーへの伝え方と、社内の期待値調整のコツがわかる

執筆

藤原 寿暉斗

CTO

技術全般を統括。Webシステム開発からRAG・LLM統合まで、先端技術を実務に落とし込むアーキテクチャ設計を担う。

バッファが必要な理由

開発の納期は、要件の追加・テストでの発見・社内承認の遅れなど、発注側の要因でも延びます。

バッファを「隠す」のではなく、「どこに余白を置くか」を明示すると、関係者全員の期待値が揃います。

バッファなし / バッファあり

バッファなし

小さな変更で納期超過
社内の準備が間に合わない
関係者の不信感

バッファあり

変更を吸収できる
社内準備の余裕
現実的な期待値

バッファを置く場所

バッファは「全体の末尾」だけでなく、リスクの高い工程ごとに置くと効果的です。次の3か所が典型的な置き場所です。

バッファの置き場所

要件・承認

社内決裁・仕様確定の遅れを吸収

テスト・修正

検証での発見と手戻りを吸収

リリース・移行

本番切り替えと現場トレーニングを吸収

  • 要件確定の期限に1〜2週間の余裕
  • テスト期間は開発期間の2〜3割を目安
  • リリース日は社内の運用開始日より前に設定

ベンダーと社内への伝え方

ベンダーには「この日までに成果物が欲しい」と現実的な納期を伝え、社内には「この日から運用開始」と余裕のある日程を共有します。

スケジュールの伝え方
  1. 01

    ベンダー納期

    成果物の提出期限(現実的な日付)

  2. 02

    社内バッファ

    検収・準備・トレーニングの余裕

  3. 03

    運用開始日

    社内に伝える正式な開始日

  4. 04

    変更時の再合意

    スコープ変更は納期も見直す

よくある質問

バッファはどれくらい必要ですか?

プロジェクトの規模によりますが、要件確定前の概算段階では全体の2〜3割をバッファとして見ておくのが現実的です。スコープが固まれば精度が上がります。

バッファをベンダーに伝えるべきですか?

社内の期待値調整用バッファと、ベンダーとの契約納期は分けて考えます。ベンダーには現実的な納期を提示し、社内には余裕を持った日程を共有するのが一般的です。

要件変更があったときはどうすればよいですか?

変更の影響範囲と納期への影響を、ベンダーと早めに共有します。バッファがあれば吸収できますが、大きな変更はスコープと納期の再合意が必要です。

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